eラーニングを活用した人材教育、組織戦略の現状と未来を語り合う専門フォーラム

新しい価値を想像する教育ビッグデータ

ICTと教育・研修の融合は、教育現場および企業の人材育成に大きな変化をもたらしています。その中で重要な役割を果たすのが「教育ビッグデータ」です。


活用によって広がる可能性は無限大ですが、取り組みはまだ始まったばかりです。現在もトライアンドエラーを繰り返しながら、教育ビッグデータによってどんな未来が切り開けるのかを、多くの教育機関および企業人事が模索しています。


eラーニングアワードでは、試行錯誤によって生まれた全国の事例の展示・セミナーを行っていますが、このページでも実際に行われている教育ビッグデータの事例と未来について、かいつまんでご紹介します。

教育ビッグデータ関連の出展企業様一覧

全国で起こっている教育ビッグデータ活用に向けた取り組み

多くの人がよくつまずくポイントを重点的に学習させようとするのは、学校や人材育成の現場でこれまで行われていたことです。しかし、テスト結果や学習履歴などのデータ数が少なかったり、集計や分析が属人的だったり、講師や担当者の経験値によるものが多く、精度を欠くことも多くありました。

テスト結果や学習履歴などのデータを豊富に持つ「教育ビッグデータ」を分析することで、より正確に全体の傾向がつかめたり、傾向・タイプ分けができたりすることができます。より良質な判断ができることを促し、学習効果を上げてくれるでしょう。この学習データを分析することを「ラーニングアナリティクス」といい、世界中で取り組みがされています。

教育ビッグデータを貯めていく仕組みとして、PC/タブレット/スマホ端末などを使って学習やテストを行うことが多く挙げられます。テストの点数はもちろん、問題が表示されてから回答までの時間や計算の過程などもデータとして集計することができるのです。

教育ビッグデータ活用によって、学校教育の現場で導入した事例では、実際に入試の平均点が50%伸びたというものもあり、今後さらなる活用が期待されています。

一人ひとりにあった学習を可能にする「アダプティブラーニング」

一人ひとりにあった学習を提供する仕組みのことを「アダプティブラーニング」といいます。

例えば、教育ビッグデータを分析すること(ラーニングアナリティクス)により、生徒・受講者一人ひとりがどこでつまずいたのか、その原因はどこにあるのかなどを、より細かく判断することも可能になります。さらにAIを活用すれば、生徒・受講者それぞれに合った次に学習するといい教材をオススメすることもできます。こうしたオススメする機能を「学習レコメンド」といいます。

また、教育者もテストや授業に臨む個人のプロセスも確認することができるので、適したアドバイスや教材を提供することができます。

受講者・生徒の自主性や意欲向上にも一役

教育ビッグデータによってアップできるのは成績だけではありません。学びに対する意欲や自主性なども伸ばすことができます。

学校や塾など、学習に集中できる場所では勉強できるのに、家では怠けてしまう…。そんな保護者の声を耳にしたことのある教育関係者は少なくないでしょう。

しかし、学習に対する意欲や自主性を高めることができれば、どんな環境でも学びを継続できるはずです。

実際に岡山大学では、教育ビッグデータを活用したeラーニングによって、生徒の学習意欲が向上できることを、世界で初めて実証しました。

学びの「可視化」とフィードバック

家庭での自学自習の経緯や学習量などを蓄積して、学んだ成果を可視化やフィードバックすることで、学習や指導の改善につなげる動きも見られます。今までこうした「努力の部分」は見逃されることが多く、生徒たちのやる気を削ぐ一因にもなっていました。

しかし、今回のように経緯をデータ化することで、教師は生徒一人ひとりの学習に対する姿勢が把握でき、褒める材料を見つけることができます。また生徒は、成長が目に見えてわかるため、学習意欲が向上したそうです。

適切なタイミングで効果的なフィードバック

他にも、あるデジタル教材では、生徒たちの学習履歴やAI運用データをもとに、保護者に対して学習意欲や自主性を高めるためのアドバイスを行う自動会話プログラムを開発しています。

家庭学習においては、勉強に集中できる環境作りはもちろん、保護者がどんな言葉をかけるのかも、子どもたちのやる気を左右する大きな要因のひとつとなります。だからこそ、下手に声を掛けられないという保護者も少なくありません。

タイミングよくやる気が出る声掛けができれば、保護者にとってこれほどうれしいことはないでしょう。また家庭学習が継続できるかどうかは、学力向上や授業の進め方を大きく左右するため、教育現場にもよい影響を及ぼすと考えられます。

教育ビッグデータ活用はタレントマネジメントにも効果的

教育ビッグデータが変えるのは学校の教育現場だけではありません。会社の人材育成の形をも大きく変化させる可能性を秘めているのです。

社員一人ひとりの能力やスキル、資質を把握した上で人事配置や人材開発を行う「タレントマネジメント」は、スピーディーな配置転換や強い会社作りを進める上で必要とされています。またタレントマネジメントでは、一人ひとりに合った学びを提供することも重要なポイントです。

しかし、従業員数が多ければ多いほど、タレントの把握は難しくなります。一人ひとりに合った教材の提供となればなおのことです。入社年度や部署単位で決められた集合研修やeラーニングを受けさせる学習体系が多くの企業で続いているのはそのためではないでしょうか。

教育ビッグデータを活用すれば、キャリアアップのための「アダプティブラーニング」(一人ひとりにあった学習)をすることができます。
すでに、ラーニングアナリティクスによって得られた結果をもとに、社員それぞれに合ったeラーニング教材を自動的にオススメするサービスもあり、ここでも「学習レコメンド」が活用されています。

ハイパフォーマーの法則発見 離職予測も

ラーニングアナリティクスによって得られる成果は他にもあります。分析対象をハイパフォーマーに限定すれば、彼らのスキルや思想、行動特性に一定の法則性を見出すことができるでしょう。こうした内容を社内学習や研修に生かすことで、より優秀な人材を育成しやすい土壌が生まれることが想定されます。

実際にある人事サービスでは、ハイパフォーマーの要因などを分析し、合致する人材の掘り起こしができるようなサービスを展開しています。こちらではほかにも、パフォーマンスが発揮されやすいチーム編成の分析サービスなども行うなど、さまざまな分野でビッグデータを活用しています。

逆に退職者に限定して分析することで、離職予測のアラートを鳴らすことも可能です。あるサービスではこれまでの退職者の行動や退職要因などを分析したうえで、退職の可能性が高い社員を検知できるサービスを提供しています。その結果、退職留意の確率があがり、職場のコミュニケーションが増えたという会社もあるそうです。

ジョブ・カードの情報からキャリアプランニングを

教育ビッグデータを集めるための手法は数多くあります。そのひとつに挙げられるのが、「ジョブ・カード」の情報を抽出するという方法です。

ジョブ・カードとは、これまでのキャリアの見直しスキルの棚卸しの際に活用できるツールで、厚生労働省が普及推進しています。
職歴や取得した免許や資格、学習内容などにとどまらず、価値観、興味、関心、自分の強み、将来取り組みたい仕事や働き方等といった項目にまで及び、会社におけるキャリアプランニングのためにも利用されます。

ジョブ・カードを活用することで、社員一人ひとりの能力やスキル、マインドの情報が得られます。この情報はビッグデータ活用・ラーニングアナリティクスを行っていく上で重要な情報になり、人材育成・活用の新たな価値を創造する発信源となります。

eラーニングアワードで一緒に考えていきましょう

教育ビッグデータを活用する学校や企業、サービスは年々増えており、人材育成・活用の効果、学習効果を高める様々な価値が生みだされています。
今後もより様々な情報がデータ化されていき、新しい価値が生まれる可能性もどんどん増えていくことでしょう。

今回ご紹介した事例は一部に過ぎません。eラーニングアワードでは、最先端を行く企業様が集まっています。ぜひ皆様の目で、教育ビッグデータの「今」を体感してみてください。

教育ビッグデータに関する展示会で得られる情報

教育ビッグデータを活用実績の多い企業が多数展示しています。
御社のビジョンを実現するためにプロフェッショナルが情報提供やご提案いたします。

などなど...

来場者様の声

展示会やセミナーで話を聞いて、世界が広がりました

私の関わる部署にもICTをより取り入れようと、初めてeラーニングアワードフォーラムに参加しました。研修の改善はもちろん、業務効率や組織レベルでの改善を行ったたくさんの事例やソリューションを聞いて、早急な変革の必要性を感じました。自社の参考になる事例だけでなく、サービスの選択肢もたくさんあることがわかり、世界が広がりました。

次回開催について

オンライン ラーニング 2023 フォーラムは
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